どんぐりとは?2
2007 / 11 / 16 ( Fri )
ブナ科(Fagaceae科)の植物は7つの属があって、
---------------------------------------------
・Quercus(コナラ属)*注1
・Lithocarpus(マテバシイ属)
・Castanopsis(シイ属)
・Castanea(クリ属)
・Fagus(ブナ属)
・Trigonobalanus(カクミガシ属)*注2、3
・Chrysolepis(トゲガシ属)*注2
---------------------------------------------
日本にはこの中の、以下の5つの属が分布しています。
-----------------------------
・Quercus(コナラ属)*注1
・Lithocarpus(マテバシイ属)
・Castanopsis(シイ属)
・Castanea(クリ属)
・Fagus(ブナ属)
-----------------------------
さらに日本に自生しているもの(亜種、変種、交雑種を除く)を個々に見ると、
-----------------------------
Quercus(コナラ属)
-----------------------------
コナラ(Quercus serrata)
ナラガシワ(Quercus aliena)
ミズナラ(Quercus crispula)
カシワ(Quercus dentata)
モンゴリナラ(Quercus mongolica)*注4
クヌギ(Quercus acutissima)
アベマキ(Quercus variabilis)
ウバメガシ(Quercus phillyraeoides)
ウラジロガシ(Quercus salicina)
オキナワウラジロガシ(Quercus miyagii)
アカガシ(Quercus acuta)
ツクバネガシ(Quercus sessilifolia)
ハナガガシ(Quercus hondae)
イチイガシ(Quercus gilva)
アラカシ(Quercus glauca)
シラカシ(Quercus myrsinaefolia)
-----------------------------
Lithocarpus(マテバシイ属)
-----------------------------
マテバシイ(Lithocarpus edulis)
シリブカガシ(Lithocarpus glabra)
-----------------------------
Castanopsis(シイ属)
-----------------------------
スダジイ(Castanopsis sieboldii)*注5
ツブラジイ(Castanopsis cuspidata)
-----------------------------
Castanea(クリ属)
-----------------------------
クリ(Castanea crenata)
-----------------------------
Fagus(ブナ属)
-----------------------------
ブナ(Fagus crenata)
イヌブナ(Fagus japonica)
-----------------------------
・Fagus(ブナ属)のブナやイヌブナの実は三角形で、
形がソバの実に似ているため「ソバグリ」とも呼ばれます。
「ブナの実」を「どんぐり」と呼ぶ人はあまりいないのでは?

・Castanea(クリ属)のクリの実のことを、
「クリの実」は、あくまで「(栗)クリ」で、
「どんぐり」と呼ぶ人はほとんどいないのでは?
でも、ちいさな子供だけは「どんぐり」と呼ぶことがあるかもしれないですね♪

・Castanopsis(シイ属)の、スダジイやツブラジイの実はどうでしょう?
「椎の実」は、「どんぐり」とも呼ばれることもあります。
(わたしもここでときどき「どんぐり」と書いています)
辞書にも「椎」の項に「実はどんぐりになり・・・」と書かれているものもあります。
「椎(シイ)の実」は炒るだけで簡単に食べられるので、家で炒って食べたり、
お祭りなどで、「椎の実」売りの露天がでているところもまだあるみたいです。
「椎の実」=「食べられる」というイメージが日本では強いのでは?と思います。
椎の実の形から作られた言葉もいくつかあり、国語辞典にも載っています。
「椎様(形、像)」(しいなり)、「椎の実弾」、「椎の実筆」など
椎の実は「どんぐり」より、「椎の実」と呼ばれることのほうが多いように思います。

・Lithocarpus(マテバシイ属)
日本には、マテバシイとシリブカガシの2つがあります。
実は「どんぐり」と呼ばれることがほとんどです。
辞書にも、「実はどんぐり」と書かれています。
マテバシイの実は、しばしば「椎の実」と呼ばれることもあります。
「シイ」か「カシ」かというのも「どんぐり」いっしょで
あまりはっきりしていないですね。
HPにアンケートのページでもつくれたら
いろいろアンケートをとってみたいことがあります。

どんぐりは俗称なので、ブナ科の実はどれでも、
人の好き好きで「どんぐり」と呼んでよいと思いますが、
・「どんぐり」と呼ばれることが多いのが、
 Quercus(コナラ属)とLithocarpus(マテバシイ属)の実
(マテバシイの実は「椎の実」と呼ばれることもあります。)
・「椎の実」または「どんぐり」とよばれるのが、
 Castanopsis(シイ属)の実
・「どんぐり」とよばれることがすくないのが、
 Castanea(クリ属)、Fagus(ブナ属)の実
かな?と思います。

acornとは、に続く(しばらく後になります。)

--------------------
注1)ここでは、Quercus(コナラ属)の中に、
 コナラ亜属、アカガシ亜属が含まれるとして書いていますが、
 Quercus(コナラ属)は以下の2つの属に分類されることもあります。
 ・Quercus(コナラ属):殻斗がウロコ状
 ・Cyclobalanopsis(アカガシ属):殻斗が同心円状
注2)カクミガシ属、トゲガシ属の日本名は「ドングリの謎」から
 その他の属の日本名は「どんぐりの図鑑」から引用しました。
注3)Trigonobalanus(カクミガシ属)は3つの植物だけの小さな種ですが、
 その3つの植物がおのおのが独立した、
 Trigonobalanus属、Formanodendron属、Colombobalanus属
 という3つの属に分けられることもあります。
注4)モンゴリナラをミズナラとカシワの交雑種とする見方もあります。
注5)スダジイをツブラジイの変種と分類することもあります。

<おまけ>
ブナ科の植物の実以外で、間違えてどんぐりとよばれるものの代表に、
ハシバミがあります。
日本には、ハシバミとツノハシバミが自生していて、
お菓子にもよくつかわれるヨーロッパのハシバミ
(ヘーゼルナッツ)も植えられています。
ヘーゼルナッツとツノハシバミの苗木
スポンサーサイト

テーマ:日記 - ジャンル:日記

23 : 59 : 59 | どんぐりとは | コメント(0) | page top↑
どんぐりとは?1
2007 / 11 / 15 ( Thu )
ちいさな森のどんぐり屋さんのHPでも、あやふやに書いていますが、
Fagaceae科(ブナ科)植物の実ということははっきりしていますが、
ブナ科のどの属の実のことをいうのかは、あまりはっきりしていません。

「どんぐり」とは日本での俗称(通称)なので、
生物学の本でも「どんぐり」がブナ科のどの属の実のことをいうのかは、
いろいろとわかれているそうです。
俗称ですので、人それぞれでもよいのでしょうが、
外国のどんぐりの木のことを調べていて、すこし気になったので調べてみました。
(ここでは、とくにこだわらずブナ科の植物について書いています。)

国語辞典をいくつか見てみると、
--------------------------------------------------------------
カシ類・コナラ・クヌギなどのブナ科ナラ属の果実の俗称。
楕円形または卵円形の堅果で、その下部が椀形または皿形の殻斗で包まれる。
クヌギの実をいうことが多い。
---------------------------------------------------------------
クヌギ・カシワ・コナラ・カシなどのブナ科植物の実。
球形や卵形で堅く、下方を殻斗(かくと)が包む。
---------------------------------------------------------------
「Quercus属((コ)ナラ属)の果実の俗称」とかかれているものと、
「・・・などのFagaceae科(ブナ科)植物の実」と
少しぼかしてかかれているものがあります。

Quercus(コナラ属)の実を「どんぐり」というのは間違いないのですが、
他のブナ科の実は「どんぐり」ではないのでしょうか?


ブナ科(Fagaceae科)は以下の7属に分けられていて
・Quercus(コナラ属)
・Lithocarpus(マテバシイ属)
・Castanopsis(シイ属)
・Castanea(クリ属)
・Fagus(ブナ属)
・Trigonobalanus(カクミガシ属)
・Chrysolepis(トゲガシ属)
(他の分類をされる場合もあります、詳細は次の記事に書きます)

日本には、以下の5属の植物が自生しています。
Quercus(コナラ属)、Lithocarpus(マテバシイ属)
Castanopsis(シイ属)、Castanea(クリ属)、Fagus(ブナ属)


次の「どんぐりとは」へ続く

<おまけ>
Trigonobalanus(カクミガシ属)とChrysolepis(トゲガシ属)は、
日本では見られません。
該当する植物がそれぞれ3つと2つというとても小さな属です。
果実はどんぐりというよりは、
どちらかというと、シイやブナ、クリになど似ています。

Trigonobalanus(カクミガシ属)はアジアに2つ、南米北部に1つあります。
・Trigonobalanus doichangensis 雲南からタイ北部に分布
・Trigonobalanus verticillata インドネシア、マレー半島に分布
・Trigonobalanus excelsa コロンビア固有
常緑樹で、マテバシイのように花柱にたくさん実をつけます。
1つの殻斗に3~数個の実が入っていて、
実の形は三角形でどんぐりというよりはブナの実にすこし似ています。

Chrysolepis(トゲガシ属)は、
アメリカ合衆国の西部に固有の2つの植物のグループで
・Chrysolepis chrysophylla(Golden Chinquapin、Giant Chinquapin)、
・Chrysolepis sempervirens(Bush Chinquapin)
栗のイガを小さくしたようなトゲトゲの殻斗で中に通常3つの実が入っています。
クリと違って、常緑で実が熟すのに2年かかります。

テーマ:日記 - ジャンル:日記

23 : 59 : 59 | どんぐりとは | コメント(0) | page top↑
| ホーム |