去年拾ったどんぐりのクイズの答え
2011 / 07 / 31 ( Sun ) 2/21日の記事「去年拾ったどんぐり」の答えです。
どんぐりを拾った場所の答えは、 東京都世田谷区粕谷にある都立公園「蘆花恒春園」でした。 ![]() 明治時代の大ベストセラー「不如帰(ほととぎす)」や「自然と人生」で有名な作家、 徳冨蘆花の旧宅や土地が死後、都に寄贈されて都立公園として整備された場所です。 遺品等が展示されている「蘆花記念館」、旧宅、墓などを見学することができます。 東京でいちばん有名?なマテバシイと書いた木は、現在も旧宅近くにあります。 このマテバシイの木は、蘆花の作品「みみずのたはごと」の中に登場します。 ・・・移転の秋坊主になる程苅り込んで非常の労力を以て隣村から移植(いしょく)し、 中一年を置いてまた庭の一隅(いちぐう)へ移(うつ)し植えた 二尺八寸廻(まわ)りの全手葉椎(マテバシイ)が、 此頃では梢の枝葉も蕃茂(はんも)して、何時花が咲いたか、 つい此程内(うち)の女児が其下で大きな椎の実を一つ見つけた。 と見て、妻が更に五六粒(つぶ)拾った。 「椎が実(な)った! 椎が実った!」驩喜(かんき)の声が家に盈(み)ちた。 田舎住居は斯様な事が大(たい)した喜の原になる。・・・ --- 徳冨蘆花「みみずのたはごと」から --- 作家の作品中に登場する植物もいろいろありますが、 今ではもう枯れたり、伐られたりなどして失われたものも多いものです。 このマテバシイの木は、移植されてから100年程経っているのですが 幸いにも大切に残されていて、 同じ椎の実を食べたり、育てたりする楽しみを味わうこともできます♪ ![]() 現在のマテバシイの木の様子 2/21日の記事「去年拾ったどんぐり」の<ヒントの解説> ・龍馬伝にも少しだけ出ていた維新の十傑の1人儒学者・横井小南の親戚にあたります。 蘆花の母方の姉の、つせ子が横井小南の妻です。 母方の姉妹には、矢嶋楫子、竹崎順子など女子教育に尽力した人がいます。 蘆花の作品「竹崎順子」は、熊本女学校(現・熊本フェイス学院高等学校) を創立した叔母の伝記を書いたものです。 ・明治時代には、勝海舟の氷川邸内で借家住まいしていたことがあります。 蘆花は、氷川邸内の借家に一時、父兄らと共に住んでいました。 蘆花の作品「富士」の中にも書かれています。 ・お兄さんは関東大震災のとき波にさらわれて亡くなった(うそ)とのウワサが流されました。 蘆花の兄の徳富蘇峰について、関東大震災のときに流されたこのウワサが、 当時のジャーナリスト宮武外骨の本の中に書かれています。 |
広葉樹の種苗の移動に関する遺伝的ガイドライン
2011 / 07 / 18 ( Mon ) 広葉樹の種苗の移動に関する遺伝的ガイドラインが、
今年の3月1日に独立行政法人森林総合研究所から発行されています。 広葉樹の葉緑体DNAのパターン、核DNAのパターンから、 地域による遺伝的分化を調査し、遺伝的タイプを大きく分類しています。 これまではあまり考慮されていなかった種苗の移動も、 このガイドラインに沿って異なるタイプの地域間の移動を なるべく避けるようになるのでしょうか。 ブナ科では、ミズナラ、スダジイ、クヌギ、ブナが調べられています。 まだ未調査の種の調査も進められるといいですね。 ミズナラ、スダジイ、ブナは複数のタイプに分けられていますが、 クヌギだけは遺伝的分化程度は低いとされ、 日本国内での種苗の移動制限がないそうです。 外部の形態もタイプによる傾向がみられるのでしょうか? 調べてみると楽しいかもしれませんね♪ |
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