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和英語林集成 第三版
2009 / 02 / 26 ( Thu )
以前に和英語林集成(初版)での「楢」と「樫」の記述を、
以前ここで紹介したことがあります。
以前の記事、「和英語林集成」、「オークと楢(ナラ)と樫(カシ)

和英語林集成の初版から第三版で、記述が変わっているかもしれないと思い、
第三版(1886)は文庫本(和英語林集成)もでているので、図書館で借りてきて見てみました。
(後になって以前のブログの記事で紹介した明治学院大学のデジタルアーカイブスでも、
各版ごとに簡単に言葉を検索して見られるようになっているのに気づきました。)

・和英語林集成 初版(1867)では
<和英>
KASHI,カシ,樫,n. The oak.
NARA,ナラ,楢,n, The name of a tree, a species of oak?
<英和>
Oak, n. Kashi no ki.


・和英語林集成 第三版(1886)では
<和英>
KASHI,カシ,樫,n. The oak:-no mi, an acorn. 
NARA,ナラ,楢,n, The name of a tree, evergreen oak.
<英和>
Oak, n. Kashi no ki.

となっています。
「evergreen」は常緑ですから、落葉樹の「楢(ナラ)」の説明としてはおかしいですね。
この辞書だけを見ると、「oak」を「樫(カシ)」と訳してしまいそうですね。


他のどんぐりに関連する言葉も見てみると、

・初版と説明の変わらないもの
<和英>
AKAGASHI アカガシ 赤橿 n. The name of the tree; lit. red oak
KASHIWA カシワ 槲 n. A species of oak, Quercus dentata
   : -ni neru, to sleep with the under quilt folded over for a covering.
<英和>
Oak, n. Kashi no ki.


・初版から説明が追加されているもの
<英和>
初版 Acorn, n. Kashi-no-mi. → 第三版 Acorn, n. Kashi-no-mi,donguri.


・第三版で追加された言葉
<和英>
DONGURI ドングリ n. An acorn. 
ICHIBI イチビ n. A species of scrubby oak: -kashi, id.
KUNUGI クヌギ adj. A species of oak, Quercus serrata.
SHII シヒ 椎 The live oak, Quercus cuspidata:shii-no-ki, id.
SHI-NO-MI シイノミ Acorn,Quercus cuspidata.
TSURUBAMI ツルバミ 橡 n. An acorn,fruit of the ishiji. Syn DONGURI.

など(他にもあるかもしれません)

<注(参考まで)>
Quercus dentataは、現在のカシワの学名
Quercus serrataは、現在のコナラの学名
Quercus cuspidataは、現在のミズナラの学名
scrubby: 低木の という意味
live: 常緑の という意味
ツルバミは、現在の通説ではクヌギの実とされています。

KASHIWA-ni neru, to sleep with the under quilt folded over for a covering.
は、布団で(かしわ餅のカシワの葉につつまれる餅のように)、
体をくるんでで寝ることをいっているのだと思います。
江戸時代にはこのような寝かたを「かしわもち」ともいったそうです。


最初の和英英和辞書だけあって、かなり混乱が見られます。
どんぐりの木の記述には、英語の翻訳だけではなく、
日本の古典の本の中にもいろいろと多くの混乱?がみられます。
どんぐりの木の名の歴史は「混乱の歴史」かもしれないです?!
それらについても機会があれば書こうと思っています。

続き
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