宮沢賢治とどんぐり
2012 / 04 / 28 ( Sat )
宮沢賢治の作品の中にはどんぐりやどんぐりの木が多くの作品で登場します。
登場するどんぐりの木の種類は、賢治の生活圏の東北に多い、カシワと楢(ナラ)がほとんどを占めています。


賢治の作品の作品名や登場する固有名にどんぐりやどんぐりの木が含まれているものが多いです。

<作品名>
どんぐりと山猫、かしはばやしの夜、楢ノ木大学士の野宿
竹と楢、水楢松にまじらふは、樺と楢との林のなかに(竹と楢、以下は詩の題名)

<作品中の人物名、地名、擬人化>
・どんぐり(「どんぐりと山猫」で擬人化)
・かしはの木(「かしはばやしの夜」で擬人化)
・楢ノ木大学士(「楢ノ木大学士の野宿」の主人公)
・楢夫(「さるのこしかけ」の主人公)
・楢夫(「種山ヶ原」の主人公)
・かしはの木(「気のいい火山弾」で擬人化)
・楢夫(「ひかりの素足」の主人公の弟)
・楢鼻(ならはな)(「ひかりの素足」にでてくる地名)
・楢渡(ならわたり)(「谷」にでてくる地名)
・楢岡(ならをか)(「革トランク」にでてくる町名 )
・楢岡工学校(「革トランク」にでてくる学校名 )
・楢樹霊一、楢樹霊二、柏樹霊(劇「種山ヶ原の夜」で擬人化)


賢治の作品には、どんぐり食も複数の作品で書かれています。

<どんぐり食>
作品の中では、貧しい者や飢饉のときなどの食べ物としてのどんぐりも書かれています。

月のほのほをかたむけて」という詩には、
搗けるはまことに喰(は)みも得ぬ、 渋きこならの実なりけり。

タネリはたしかにいちにち噛んでゐたやうだった」では
タネリが家に帰ったとき、母親がこならの実を搗いている様子が書かれています。

グスコーブドリの伝記」では、
飢饉のときの食料のひとつとして、こならの実が書かれています。

なめとこ山の熊」では、猟師の言葉に、
「・・・おれなどは何か栗かしだのみでも食ってゐて・・・」
 楢の実の方言、しだみ(しだのみ)が話し言葉で書かれています。



どんぐりの木の特徴の表現
どんぐりの木の特徴である枯葉が落ちずについたままになり、風で葉音をたてる。
という特徴が賢治の作品の中にも多く表現されています。
(個別に挙げるのはここではやめておきます。)

<カシワの枯葉がついたままの様子>
作品の中に多く登場します。
枯葉がついたままというのは、賢治の中ではとても身近なことのようです。
(次の葉の音も、カシワの枯れ葉のものが多く含まれています。)
枯葉の色については、赤いという表現を何回かしています。

<カシワの葉の音>
カサカサ、かさかさ、がさがさ、さらさら、ざらざら、さんさん、ざわざわ
などいろいろな擬音で表現しており、回数もかなり多いです。
(作品の先駆系での表現も含めています)


その他

<やまのたばこの木>
「一本木野」という詩の中に、

(おい かしは てめいのあだなを やまのたばこの木つていふつてのはほんたうか)

という表現がみられます。
カシワの木を”やまのたばこの木”という呼び方は他には見聞きしたことがないです。
カシワの葉自体を吸ったということは聞いたことがないですので、
葉が大きいので、山中でタバコの葉を手巻きする紙がないときの代用でしょうか?


<カシワ、ナラ以外のどんぐりの木>
冒頭に書いた通りカシワナラ(ミズナラ、コナラ)以外のどんぐりの木はほとんど登場しません。

その他のどんぐりの木はクヌギとカシで、
クヌギは、「十力の金剛石」
カシは、「学者アラムハラドの見た着物」
にそれぞれ一度だけでてくるだけで、シイはでてきません。

参考資料:宮沢賢治全集1~10 ちくま文庫 1986~1995


<おまけ>
何度かここで紹介しているどんぐりの木の枯葉がついたまま、というのと同じく、
どんぐりの木の葉の音もいろいろな作品に登場する表現のひとつです。

代表的などんぐりの木の葉の音に関することを挙げると、
・古代ギリシャのドドナ(ゼウスの神託所)では、
 オークの木(どんぐりの木)の 葉ずれの音で神託が告げられたといわれています。
・日本のナラ(楢)の語源のひとつの説:
 他の木が落葉した後も葉が枝に残って風に(鳴)ナルところから
などがあります。

他には、山頭火などが楢の木の葉の音について作品の中で書いていたと思います。
(機会があれば紹介します)

枯葉を付けたままのカシワの木の様子
donguri120428
先々週末のカシワの木の様子、すこし前の爆弾低気圧の強風にも耐えて多くが残っています。
風で枯葉がかさかさ、がさがさ鳴っていました。
先週末もほぼ同じ状態でした、今年は葉を落とすのが遅いようです。

ご近所の他のカシワの木は、ほとんどもう枯葉を落としています。
落ちているカシワの葉を見つけたら、その近くの木をチェックしてみましょう。
いままで気づいていなかったカシワの木を発見することもできるかも?
(私は近所でカシワの木を新たに1本発見しました♪)
スポンサーサイト

テーマ:日記 - ジャンル:日記

23 : 23 : 13 | どんぐり雑記 | コメント(0) | page top↑
<<どんぐりの木の若葉の絵 | ホーム | 探しているどんぐり2>>
コメント
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

| ホーム |