多田富雄の飛龍樫
2012 / 05 / 17 ( Thu )
免疫学者で、文筆家でもあった多田富雄さんの作品に、「樫の葉の声」という一文があります。
新潮文庫のビルマの鳥の木の中におさめられています。

その冒頭の部分を紹介します。


樫の葉の声

三四郎の池には、樹齢百年を越える樫の巨木があって、三階にある私の研究室の窓の外に枝を広げている。
正しい木の名がわからなかったが、それが飛龍樫(ひりゅうがし)という樫の木の一種であることがわかった。
…以下省略…



通常、飛龍樫といえば、アラカシの葉の鋸歯の切れこみが通常より深い園芸品種をさしますが、
ここでの「飛龍樫」は、その後の記述や他の作品(「老い」断章)での記述から落葉樹ではないかと思われます。
(冬の葉の落ちた後の枝々の様子を、脳の血管造影のX線写真を見ているような気がしてくると書いています。)


この「飛龍樫」は本当は何の木でしょうか?
三四郎の池は東京大学本郷キャンパスにある池です。
ここ数年近くに行く機会があればついでに寄って調べてみようと思っていましたが、
なかなかよい機会に恵まれません。
誰か興味がある人がいたら調べてみてください。
個人的には北米産のレッドオークなのではないかと思っているのですがどうでしょう?


探すヒントになるかな?という情報

多田富雄著寡黙なる巨人(集英社文庫)の巻末の養老孟司さんの解説

東京大学医学部で私の同僚だった。多田さんの専門は免疫学、私は解剖学だったから、
仕事上は直接の関係はない。
医学部本館という建物が赤門の突き当たりにあって、多田さんは北側、私は南側にいた。
たまに鬱屈することがあると、多田さんの部屋に行き、ブツブツいって暇を潰すことがあった。
…以下省略…



赤門からまっすぐ突き当たる建物は、現在の医学部2号館本館で、
その北(左)に三四郎池がありますから、その周囲を探すと見つかるかもしれません。
すでにもう枯れたり伐られたりしていなければの話しですが。


<おまけ>
三四郎池といえば、夏目漱石の「三四郎」に由来して名付けられたそうです。
「三四郎」には、池のほとりの椎の木がでてきます。
モデルになった木は実際にある(あった)のでしょうか?
それらしい椎の木があるか、探してみたいですね。
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