オークの樹が記した歴史
2008 / 03 / 09 ( Sun )
万年筆を使っている人を、最近はあまり見かけないですね。
私も、学生時代にカートリッジ入りインクの万年筆を少し使っただけで、
それ以降は、ほとんど使っていないです。
ボールペンが公文書への使用が可能となったことで、
しだいに、一般では使われることが少なくなったように感じます。
でも、最近ではいろいろな色、香りなどのインクも作られるようになり、
愛好者も再び少しづつ増え始めて?いるようです。
つけペン用のインクボトルは懐かしい感じがして、なにかいいですね。
昔の主流は、黒っぽい青色のインク(ブルーブラック系インク)でした。

西欧では、ススなどによるインクから、6世紀頃以降に主流となったのが、
タンニン酸鉄インク(Iron gall ink:没食子インク)といわれるインクです。
没食子とは、無食子ともいわれる、
オーク(どんぐりの木)の虫こぶ(gall)のことで、
中近東のQuercus infectoriaというどんぐりの木に、
インクタマバチ(Cynips gollae-tinctoriae)が寄生して作られる虫こぶです。

薬用植物図譜“Plantae officinales, oder, Sammlung officineller Pflanzen”
(19世紀前半にドイツで出版)で絵を見ることができます。
大阪府立図書館の「19世紀 薬用植物の世界」のページ

木の防御反応によって、タンニンなどの成分が周囲に濃縮しているため、
昔から、薬、皮なめしや染色などいろいろな用途に使われてきました。
没食子は広く、流通もしていたようで、
奈良の東大寺正倉院にも、没食子が宝物の一つとして保管されているそうです。

Iron gall ink」は、没食子から抽出されたタンニンなどに、
硫酸鉄などを混ぜて作られます。
19世紀頃まで、没食子はブルーブラック系インクの原料として使用されていたそうです。
西欧では、公文書にも「Iron gall ink」は多く使用されていて、
アメリカの独立宣言書なども羊皮紙に「Iron gall ink」で記されているそうです。

でも、現在では、Iron gall inkは、ほとんど作られていないようです。
しかし、古い書簡の修復用や、個人の趣味で、
今でも、「Iron gall ink」を作っている人はいるようです。
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